2013年06月08日

学習麻痺の恐ろしさ(2)数学編 その1

Vol.7
学習麻痺の恐ろしさ
〜絶対に幸せになれない子供達〜
(2)数学編 その1


「学校の勉強で数学が一番嫌いだった!」という方、多いと思いますが、今回はその算数・数学のお話です。まずは、根本に立ち返って考えてみましょう。

⒈数学はなぜ必要なのか?

東海大学教育開発研究所教授の秋山仁先生は、2005年度NHK高校講座の「数字基礎」の講師をなさっていました。そのテキスト中にとてもわかりやすく、数学について簡潔にまとまった文章がありましたので、ご紹介いたします…。

「数学って,本当に,世の中で役に立っているんだろうか」。数学を学んでいて,このようなことを感じたことはありませんか。たしかに,方程式や公式が活用されている場面を具体的に目にする機会はあまりありません。そのために,「数学は世の中で役に立つことはない」という誤解が生じているようです。しかし,ふだん目にする多くのものの中に,実は数学の理論が潜んでいるのです。

たとえば,衛星放送を受信するパラボラアンテナの形は,放物線のもつ性質が利用されています。
携帯電話などの通信のシステムや,インターネット上での情報の安全性の確保,惑星探査機からの画像情報の乱れの修正など,電子通信の分野でも数学の理論は大いに使われています。その結果,大量の情報を安全かつ正確にやりとりできるのです。

また,病気になれば体温を測りますが,電子体温計を使えば,水銀の体温計よりも短時間で体温を測れます。電子体温計では,温度の上昇のしかたを数学的に分析して,最終的に何度まで上がるかを予測してその値を表示しているのです。頭をけがしたときには,CTスキャンで脳の内部の画像を映し出します。
実際に頭部を切らなくても脳の検査ができるのは,数学的な処理によって画像を映し出せるからなのです。

買い物に行けば,商品のバーコードがレジで瞬時に読み取られるので,会計がスムースに行われます。同時に,レジとつながっている回線を通して,どんな商品が売れているのかをお店は管理することができます。バーコードには読み取りの間違いを防ぐための簡単な数学的な仕組みが取り入れられています。

みなさんが社会に出れば,クレジットカードを使って支払いをすることもあるでしょう。株価などさまざまな経済の動向に関心をもつこともあるでしょう。数学はこういった場面でも大活躍しているのです。


いかがでしょうか?私たちが学校の数学で学ぶのは、現代のテクノロジーの基礎の基礎です。ですから、一見「社会では使われていないのでは?」「何の役にも立たないのでは?」と、思ってしまいがちです。しかし、この「基礎の基礎」というところがミソです。

学校の現場で「今、学んでいる数学が世の中でどう役に立っているのか?」という疑問に答えてくれたり、教えてくれる授業がどれだけあるでしょうか?たとえば、一次関数、平方根など。これらを何のために学び、どう世の中の役に立っているのかを、生徒に話すと、みな口を揃えて「筒井先生が初めてこのことを教えてくれた。」と言います。

それらの詳しい内容はまたの機会に語るとして…。2011年に「中学・高校数学のほんとうの使い道」という本を出版された京極一樹さんは、その著書の中でこんな事を書いています。

最近の数学の教科書を見て驚きました。学習参考書とほとんど変わりがありません。問題があって解法があるだけの内容では、楽しくないのが当然でしょう。問題を解くのが数学ではないはずです。それぞれの数学の登場の背景にこそ意義があります。(中略)それぞれの数学の何が面白いのか、それらが「どこでどのように使われているのか」を解説します。

いかがでしょうか?私も昨今の中高生の教科書を見せてもらって、同じ事を感じました。数学は問題を解くためだけに存在するものではない。と私も思います。授業でも、教科書でも、数学が何の役に立つのか誰も教えてくれない…。なのに、点数だけは要求される。これでは数学が嫌いな生徒が増えても何の不思議もありません。

「中2の終わりまでに、約半数が数学から脱落する」という説がありますが、現状では無理もない話です。それは「数学の楽しさ」を教えてもらう、授けてもらうチャンスをほとんどの生徒は与えられていません。前出の京極さんは、以下のようにも書いていらっしゃいます。

小生は数学と物理を専攻し、研究者になるために数学を勉強しました。そして数学が大好きでした。特に高校生のころは数学はほとんど「ゲーム」でした。使えるツールは何か、その範囲内でこの問題をどう解くことができるのか、これを考えるのが至上の喜びでした。

この「至上の喜び」という感覚、よくわかります。私も中学まではそうでしたから(笑)この「ゲーム」のような楽しみをどうしたら味わえるのか?続きは次号で…。  

Posted by 筒井 和之 at 21:26Comments(0)学習麻痺数学の学習

2013年05月26日

学習麻痺の恐ろしさ(1)国語編


学習麻痺の恐ろしさ
〜絶対に幸せになれない子供達〜
(1)国語編


「学校の勉強なんかできなくたっていいじゃないか!」

こうお考えの方も少なくないと思います。まず何より大事なのは健康である事。この言葉の裏にはそういう気持ちが見え隠れします。それは私も同意します。何を隠そう、この私も小学生の頃は喘息で入退院を繰り返していました。父親がこう言いました。

「お前が体さえ丈夫だったら…。勉強なんか、できなくても良いんだよ。」

そう言われても仕方ないと幼心に思いました。勉強はなぜかできていましたが、それよりは運動ができる自分に私もなりたかったからです。

この話は機会があったらまた語るとして、「学校の勉強なんかできなくたっていいじゃないか!」という言葉からはこういう考えも垣間見えます。

「人間、人に対する優しさや思いやりが最も大切で、成績なんかそれに勝るものではない。」

これには全面的な賛成はしかねます。半分といったところでしょうか。なぜそれが言えるかといいますと、優しさや思いやりの心を持つにはある程度の学力がどうしても必要だからです。

今回のテーマは学習麻痺の恐ろしさについてですが、重要なテーマですから、5回シリーズでお送りしようと思います。主要五教科を1回ずつで今回は国語です。国語は上記の優しさや思いやりの心を持つには欠かせない教科です。

・学力は語彙力である

語彙力とは頭の中の「言葉の引出し」に、たくさんの言葉が入っている事をいいます。お父さん、お母さん、学生の頃の話です。クラスで成績がトップの友達はあなたより、たくさんの言葉を知っていませんでしたか?教科の中で使う言葉はもちろん、世の中の様々な専門用語に至るまで…。言葉の引き出しの多さと学力は明らかな相関関係があります。自分の学習経験、20年を越える実務経験から、私は「学力は語彙力である」という考えを持っています。

では、語彙はどこで獲得されるのか?自分の知らない、使ったことがない言葉と私たちは多くの場合、本の中で出会います。自分が興味を持った本をジャンルにこだわらず、何でも読む…。こんな事が小学生の頃からできれば理想的です。

しかし、学習麻痺に陥っている生徒の場合、残念ながら多くのケースでは、小さい頃から本に親しむチャンスが与えられていません。

人は、自分の意思や考えを相手に伝えるのが上手です。相手が子供でもお年寄りでも、素人でも玄人でも、的確にことばを選んで使えるからです。また、難しい事柄をわかりやすく伝える上でも、語彙の豊富さは大切な要素です。

・円滑な人間関係は文脈力から

本を読んでいる時に人間の脳は、目の前の文字の意味を考えるだけでなく、ストーリーを捉え、時には語外の意味すら考えねばなりません。これは人と話をしている時も同様で、使う脳の領域は同じです。

よく人の話をよく聞かなかったり、勝手に解釈してミスする方が実社会でもおられますが、よくよく話を聞いてみると、幼少期からのこうしたトレーニングが不足している事が多いのです。

それだけでなく、話の先を予測したり、登場人物の心情を考えたり、作品全体のメッセージを読み取ったり、章や段落の関連性を考えたり…。これらを総称して文脈力という言葉をよく使います。

「文脈」という言葉を辞書で引くと、

『文章の流れの中にある意味内容のつながりぐあい。多くは、文と文の論理的関係、語と語の意味的関連の中にある。文章の筋道。』

とあります。文脈力とはそれらを見出す力と言えます。

文脈力を付けるために、幼少期からきちんとトレーニングがなされる事が大切です。お子さん達がまだ小さい人は、ぜひ本を読んであげてください。そして、その内容についてお子さんと話をしてあげて欲しいのです。お子さん達がもう大きい人は同じ本を親子で読む事をおすすめします。その内容について親子で語らう事で、絆も深まることでしょう。

文脈力は対人関係では、思いやりを持つ力につながります。人の気持ちを考えたり、相手の立場を思いやり、尊重する事につながります。

ここで想像してみてください。大人になっても、これらのトレーニングが、とっても不足している状態を…。自分の意思や考えを上手く言葉にできず、相手の気持ちや立場を思いやる事もできない…。この世知辛い世の中で、上手く世間の荒波を渡って行けるでしょうか?幸福な人間関係に恵まれるでしょうか?

仮に学生時代に点数だけが奇跡的に良くても、これでは幸せな人間生活を送る事は不可能と言って良いでしょう。円滑なコミュニケーションのためにも、国語力は大事なツールなのです。(以下次号)  

Posted by 筒井 和之 at 15:50Comments(0)学習麻痺国語の学習

2013年04月29日

ご相談・家庭教師の申し込み

【家庭教師申し込み】

ご検討いただきありがとうございます。

「どんなに成績の悪い生徒もなんとかしちゃうウルトラ家庭教師」こと、私、筒井 和之はこれまで数多くの生徒に関わらせていただいてきました。それらの中には、いじめ、不登校、家庭不和、著しい学習の遅れなど、学校はおろか、他の塾や家庭教師が手に負えない生徒も数多く手がけ、ご信頼を頂戴しております。最近では難しいケース専門の「家庭教師の最終兵器」との異名もいただいております(笑)どうかよろしくお願い申し上げます。( ´ ▽ ` )ノ

《料金システム》
・¥2000/1時間 これが基本です。
入会金は不要です。
交通費のみご負担下さい。

・カウンセリング時に、週ごとの回数/時間/曜日を決定の上、月ごとの前金、もしくは授業ごとでいただきます。これが基本ですが、ご事情がある場合はご相談ください。

・兄弟姉妹、友人との合同授業もOKです。基本的には…。

2人の場合 ¥3000/1時間
3人の場合 ¥4000/1時間

となります。3人以上も受付けます。ご相談ください。

《教材費》
基本的に必要ありません。学校からもらっているものだけで十分です。他業者の高額な教材を購入してしまっている場合はご相談ください。無駄にしないように、なるべく使うように致します。

ただし、過剰な教材はお子さんの負担を増やすだけです。高価な教材も元になっているものは学校の教科書です。教科書のレベルを超える問題は基本的にないのです。

ですからウルトラ家庭教師では教材費は一切※いただきません。学校で使用中のもの、もしくはかつて使用したものを使います。ご家庭の負担を減らすため、ムダな出費は徹底的に抑えます。

※学校で使用しているものを紛失している場合(教科書・問題集・資料集など)や、英語の教科書CD、辞書(小学校国語・漢字&英語)をお持ちでない場合、購入していただく事があります。

《対応エリア》
基本的には長野県全域、私の自宅(長野市稲里町)から半径100km以内とさせていただきますが、他県も含めて遠隔地の場合はご相談ください。

《ご契約までの流れ》
代表的なパターンを簡単に説明させていただきます。

1.〈ご相談・申し込み〉
以下のメールアドレスにお子様の

・お名前
・学年
・ご住所(学校名)
・ご連絡先の電話番号
・現在の成績、教育上の問題点を簡単にお書きください。
(具体的な点数、苦手教科・単元など)

を、お書きいただき以下までご送信ください。

kazz221_01@me.com

なお、個人情報は責任をもって厳重に管理しますので他に漏れる事はありません。

2.〈カウンセリング〉
メールでのご連絡の後、訪問させていただき(ご自宅でなくても構いません。ファミリーレストラン、ファストフード店などでもOKです。)成績・教育上の問題点などを詳しく伺います。授業の回数、時間・曜日なども相談に応じます。

3.〈無料体験授業〉
¥0/90分の体験授業をご用意しております。お子さんが同意しない場合など、ご希望の際はお申し付け下さい。交通費のみご負担ください。

☟☟☟

お子様の同意、ヤル気のもとに授業スタートとなります。


・ご相談のみのカウンセリングも受付けております。

・遠隔地の方もお気軽にご相談ください(半径100kmまでは行くつもりでおります!それより遠くとも様々な指導方法がございます。電話、インターネット、Skype、mail、FAX、FaceTime等の活用も可能です。)

・その他の詳しい事はメールとカウンセリング時にご説明させていただきます。


【無料教育相談】
教育上のお悩み全般をご相談として受付けております。以下フォームをコピーしていただきお子様の

・お名前
・学年
・ご住所(学校名)
・ご連絡先の電話番号
・現在の成績、教育上の問題点を簡単にお書きください。
(具体的な点数、苦手教科・単元など)

お気軽に以下までメールをお送りください。

kazz221_01@me.com


よろしくお願いします。  

Posted by 筒井 和之 at 17:39Comments(0)ご相談・家庭教師申し込み

2013年04月23日

「学習麻痺」とは⁉(3)

Vol.3

みなさん、おはこんばんちわ!
( ´ ▽ ` )ノ「どんな成績の悪い生徒もなんとかしちゃうウルトラ家庭教師」の筒井和之です。前回に引き続き、学習麻痺のお話です。

前回は『§.3「学習麻痺」はなぜ発見が遅れるのか?』の理由を2つあげました。1つ目は生徒、2つ目は親たちでしたね。実はもう一つ理由があります。

理由⒊教師は…。

生徒の提出ノート(毎日1ページ以上の勉強を家庭で行い、毎朝教科担任に提出するノート。英語、数学、漢字練習帳の提出を義務付ける学校が多い。1Pノートと呼ぶところもある。信州特有の指導と思われる)を見せてもらうと、教師がいかに忙しい毎日を送っているか推し量る事ができます。

生徒の指導や授業ばかりでなく、毎日の授業の準備、多種多様な学校行事、職員会議、打合せ、父兄の皆さんへの連絡や、成績管理に帳票の作成…。その合間にノートをチェックするのですから、日付けと書き込んであるかどうかだけを確認して記録を取り、返却して終わりでも仕方がないのかも知れません…。

でもね、あえて言わせてもらいます。お互いプロなんですから、生徒のノートを一目見れば、それが彼らの魂のこもった仕事か、丸写しのただの作業かは見抜けるんじゃないでしょうか?

ノートには生徒の学習の実態がありありと現れます。熱心な先生はノートにコメントを書き込んだりしてくれますが、生徒がどんなに質の悪い学習をしていてもチェックだけして返却している先生方の多い事…。これも学習麻痺を促進こそすれ、改善する事は有り得ません。

詳しくは提出ノートの回で書きますが、提出ノートがやっつけ仕事で終わっている生徒の学力アップは、まず考えられない事だけは間違いのない事実です。

教師が忙しいのはわかります。しかし、学校の役割りというのは一人一人の生徒にきちんと学力を付けてあげる事ではないでしょうか?毎日の学習が単なる作業に堕ちている生徒が相当たくさんいる…。という現実に気が付いていない筈はないと思うのです。

「仕事を効率よくこなす事と、生徒の学力向上とどちらに重きを置いているのか?」

と思ってしまう事が多いですね。

この位にしておきましょう。文句を言い出したらキリがありません。教師の多忙さの問題もまた回を改めていずれ書きます。なぜ学習麻痺の発見が遅れるのかは、充分お分かりいただけたと思いますが、簡単にまとめたいと思います。

【学習麻痺の発見が遅れる理由】

1.生徒は授業が理解できない、ついて行けてないという事実を、ひたすら親や教師に隠そうとする。

2.親は子供の学力の把握を点数に頼りがちになり、原因の追求ができないため、改善が成されない。

3.教師は忙し過ぎ、一人一人の細かい指導まで手が回らない。せっかくの提出ノートも形骸化。

次回は「学習麻痺の恐ろしさ 〜絶対に幸せになれない子供達〜」をお送りします…お楽しみに。
( ´ ▽ ` )ノ
  

2013年04月21日

今後のラインナップ!(・ω・)ノ

「教育県」信州を斬る!

今後執筆予定のラインナップです。御期待ください!( ´ ▽ ` )ノ

※タイトルは変更する場合もあります。なお、順番は執筆順ではありません。書きやすいモノから書いて行きます。

・学習麻痺の恐ろしさ
〜絶対に幸せになれない子供たち〜

・「提出ノート」なる不可解なモノ
〜作業を学習とカン違いしている愚かさ〜

・なんでオレは楽譜が読めないんだ!
〜信州の合唱偏重音楽教育〜

・不登校日本一!コレでも教育県か?

・科目別チョー効果的学習
〜コレで毎日の学習が楽しく!〜

・信州が本当に「教育県」であった時代(月イチ連載)

・信州教育者列伝(月イチ連載)

・えぇっ!信州で反日教育⁈
〜偏差値最低校で行われる恐怖の左翼洗脳教育〜

・体罰について思うコト
〜忘れられない教師の暴力〜

・ノートは生徒のアタマの中!
〜美しいノートは成績アップへの最短距離!〜

・情報化社会の学習スタイル
〜調べるチカラの大切さ〜

・「勉強しなさい!」は悪魔のことば
〜子供の向学心を根こそぎ奪う愚かな親たち〜

・小学生用の辞書は大学受験まで現役!
〜学力とは語彙力である⁉ 〜

・医者、弁護士、教師は聖職である⁉
〜なんで教師はあんなに忙しいのか?〜

・個の学習と集団の学習の違い
〜なんで学校は教務力を無くしたのか〜

・なぜ、学校は虐めを認めないのか?
〜誰も責任を取らない偽善者集団〜

・文は書かすも指導ナシ⁉
〜自由表現の楽しさを教えろ!〜

・こんなに塾が必要なのか?
〜飽和状態の教育産業と信州教育〜

・教材は学校でもらったモノ以外要らない!
〜教育産業に搾取されるムダなお金〜

・信州は日教組に汚染されていた!
〜私も体験した左翼洗脳教育〜

・古典はタイムマシーン!
〜私たちのルーツを知ろう〜

・女子よ、科学を愛せよ!
〜理科を毛嫌いしてると死ぬコトもある⁈ 〜

・国語は全ての教科の礎
〜だが、それが一番問題だらけだ!〜

・世界は数学で動いている
〜知らないヤツは携帯使うな!〜

・今の世の中は問題だらけだ!
〜だから、社会の知識はキチョーなのだ‼ 〜

・「神の国ニッポン」の道徳教育
〜ナニを倫理の基準とするのか?〜

・モノマネ上手は語学に強い!
〜英語で仕事ができるチカラを付けよう!〜

・努力はキミを裏切らない?そんな事ありません!
〜努力と才能のカン違いを正す〜

・ビジネス社会、自己啓発の大弊害
〜拝金主義者の大量生産〜

・信州は美術教育先進県だった⁈
〜山本鼎と自由画教育〜

・前期日程入試は本当に必要か?
〜これじゃあ博打?評価基準がワカラナイ!〜

・ホームスクールのすすめ
〜学校を信頼できない方々へ〜

・自分の点数で行ける所に行く?
~ちょっと待て!それは最も愚かな選択だ !!~  

2013年04月21日

「学習麻痺」とは⁉(2)

Vol.2

みなさん、おはこんばんちわ!
( ´ ▽ ` )ノ「どんな成績の悪い生徒もなんとかしちゃうウルトラ家庭教師」の筒井和之です。前回に引き続き、学習麻痺のお話です。

§.3「学習麻痺」はなぜ発見が遅れるのか?

気が付いた時には、かなり深刻な事態になっている…。それが学習麻痺です。私がいつも思うのは、「なぜ、もっと早い段階で手を打たなかったのか?」という事です。しかし、経験を積むにつれ、その理由も段々わかってきました。

理由⒈生徒は…。

生徒にとって、理解不能な単元や科目があるという事は、秘中の秘なのです。かなり仲の良い友達にも打ち明ける事は稀です。なぜなら、なんとなくできない事はわかっているけど、どこがどうわかっていないかは、本人が一番わかっていませんから(笑)

お父さん、お母さん、ご自分の学生時代を振り返ってみてください。勉強のどこがわからないかという事を友達に事細かに明かした事はありますか?「おれ(わたし)、頭悪いからさ…。」くらいの相談はした事があるかも知れません。しかし、具体的じゃないですね。問題解決にはなかなか至りません。

友達に言わないくらいですから、親にも先生にも絶対に言いません。可能な限り隠そうとします。これは見事にどの生徒にも見られる現象です。「勉強ができない」という事は絶対悪である事はどの生徒もわかっていますから。

私たちの仕事はこの解きほぐしから始まります。

「僕は君の成績を上げるために来た。そのためには君がどのくらいできないか、どのくらいわかってないかを知る必要があるよね。だから、どんなに基本的な事をわかってなくても、それを隠さずに見せて欲しい。いいね?」

ここまで言っても、まだまだ隠そうとします(笑)そのくらい根は深いのです。

理由2.親は…。

そういう訳ですから、親は子供の学力を知る手段はテストの結果くらいしかありません。ここから親子の確執が始まります(笑)小学生だと単元ごとのテストくらいで、定期テストがありませんから通知表くらい。もっとわかりにくいものになります。

だからと言って、テストの点数や通知表の数字だけですべてを判断はできません。それらの数字からは絶対に見えないモノがあります。

それは…。

「どこから(いつから)そのつまづきがはじまったか?」

という事実です。通知表やテストの結果はあくまで「現時点での評価」です。問題の解決には「どこからわからなくなっているか?」の追及が不可欠です。そこを踏まえてかからないため、多くの悲劇が発生します。

最大の悲劇は親子共々「点数さえ取れればいい」という意識に陥ってしまう事です。何のために私達は学習するのでしょうか?そこが見えなくなってしまうととてつもない本末転倒が起こるというのに…。

子供は基本ができていないのに、学習スタイルは学力に繋がらないただの作業に終始するようになり、親は子供が机に向かってさえいれば、安心する。机に向かっていなければ「勉強しなさい!」と叱咤する…。こうした状況は学習麻痺を促進しこそすれ、改善に向かう事は絶対にあり得ません。

なら、どうすればいいの?という声が聞こえて来そうですが…。
(以下次号)
  

2013年04月18日

「学習麻痺」とは⁉(1)

Vol.1

はじめまして!( ´ ▽ ` )ノ
「どんな成績の悪い生徒もなんとかしちゃうウルトラ家庭教師」の筒井和之と申します。今後ともよろしくお願いします。

記念すべき第一回は、あまり耳慣れない言葉ですが「学習麻痺」について語ろうと思います。

§.1「学習麻痺」とは⁉

どの学校のどのクラスにも、著しく成績の振るわない生徒はいるものです。例えば…。

⒈繰り上がり、繰り下がり、掛け算九九など小学校低学年レベルの計算が中学生になっても怪しい、もしくはできない。

⒉中学生、高校生になっても簡単な英語の単語が読めない、もちろん意味なんてわからない。

⒊漢字が読めない、書けない。よって語彙が極端に乏しい。だから、長い文章を読んだり書いたりがとっても苦痛、もしくはできない。

以上は実際に私が担当した生徒の中にあった例です。
「いくらなんでも、そこまでできない子はいないでしょ?」
と思われた方もおられると思います。でも、それは教育が正常に機能していた時代の話です。現にこうした生徒は想像以上に増えています。

大人でも、自分が周りの人と比べて明らかに能力が劣っている、常にコンプレックスを味わい続ける環境に置かれ続けたらどうなるでしょう?

当然、その事から目を背けたくなります。そして、自分の自我や誇りを保つためには、その事をなるべく考えないように、それを何も感じないようになって行きます。まさしく「麻痺」の状態です。

全国の学校でこんな思いで毎日の授業に「ただ存在しているだけ」の生徒が一体何人いることでしょう。それを思うと私は胸が張り裂けそうな気持ちになります。

§.2「学習麻痺」からの脱却

家庭教師で私がこうした生徒と相対した場合、まずする事はこうした麻痺の解きほぐしです。その事を受け入れ、彼等の気持ちに寄り添う事から始めます。

同時に大切な事は、生徒に「自分は学習に対して、感覚を麻痺させている。」という強い自覚を促す事です。そして、それを決して強制せず、褒めながらに本人のモチベーションを高めていきます。

言葉にすると簡単ですが、並大抵ではありません。大人で言えば、本人にとって、とても嫌な事や、全く興味関心のない事をその道のプロのレベルにまで高める訳ですから。いかに困難かおわかりいただけると思います。

とは言っても、一定水準の学力は人生を切り拓いて行くためにはどうしても必要なものです。それは生徒たちも言われるまでもなく、骨身に染みてわかっています。

「君は麻痺している(させている)」という言葉はこうした状況にいるどの生徒も敏感に反応します。自覚があるから当然ですが、こうした指摘をする方が、教育現場に少ない事も同時に意味します。

ここからの脱却はそれなりに時間はかかりますが、自分のできる事からゆっくり始めて行くのが最大の治療となります。

特に数学なのでは、分数・少数の計算、下手すると掛け算九九から始めなくてはいけない場合もありますが、基礎も柱も出来上がっていない空中に壁が塗れないのと同様、足掛かりをしっかり見つけてあげるのも、私たちの大切な仕事と考えています。(以下次号)